【初心者向け】金沢夜景カメラマンが教える夜景撮影のコツ

  • 2021年8月13日
  • 2023年1月18日
  • コラム

こんにちは、フォトグラファー&写真講師の中西です。

今日は写真教室でも質問が多い「夜景撮影のコツ」について、まとめていきたいと思います。前半では基本の操作方法、後半では僕が取り入れている撮影のコツについてまとめてみます。

基本編(機材の準備・設定)

準備するもの

カメラ・三脚   以上!!

他にも、カメラに触らずにシャッターを切るためのリモコンやレリーズ(Wi-Fiが付いていたらスマホでも可能)など便利なものもありますが、基本はカメラ+三脚で撮影できます。

実際に僕もリモコンなどを使わずに撮影しているので、やり方については次に書きますね。

カメラの設定

☆基本設定☆

・モード:マニュアル露出モード(M)

・絞り:F8(明るすぎる場合はF11)

・シャッタースピード:明るさに応じて調整

・ISO感度:最低の100(最低が200のカメラは200で)にする

・ピントの合わせ方:基本はマニュアル

・ホワイトバランス:最初は太陽光から始めて調整する

・シャッターの切り方:セルフタイマーを2秒~5秒くらいに設定(リモコンなどがある場合は使っても良い)

・カメラまたはレンズの手振れ補正はOFFにする(Nikonの場合、レンズでOFFにします↓)

・基本はライブビューモード(背面液晶に写った状態)にする↓

基本編(撮影の流れ)

 1、カメラをしっかりと三脚に固定して、だいたい撮りたい構図を決める

2、上の「カメラの設定」にしたがって設定する

3、露出(明るさ)とピントを合わせる

4、セルフタイマーを発動して撮影する(リモコンなども可)

5、撮った写真を確認する(露出やピント、色が合っているか)

6、適宜設定を修正して撮っていく

マニュアル露出モードでの露出(明るさ)の合わせ方

夜景撮影では昼間の撮影とは違って、設定によってはノイズ(写真がザラザラと粗くなる)が出やすかったり、シャープに映らなかったりするのでそこだけは注意が必要です。

これはISO感度を上げすぎたり、レンズの絞りを中途半端に設定することによって発生してしまいます。

そこでISO感度をノイズが出にくい最低の100、レンズが最もシャープに写せる絞りのF8に設定してしまって、あとはシャッタースピードで露出(明るさ)を調整する方法をおススメします。

「マニュアルで露出を合わせるのは難しそう」と思われるかもしれませんが、一眼レフにはどのくらいの明るさになるのかわかりやすいインジケーターがついています(上の写真の矢印)

真ん中がカメラがはじき出した「適正露出」で、右の「+」に行くと明るめ、左の「-」に行くと暗めとなります(写真は「+」の方に行っているので少し明るめ)

夜景の場合は人が実際に見ているものと写り方が少し違うので、このカメラのインジケーターを見ながら若干明るめにしたり、暗めにしたりして自分の感覚と合う写りを探していきます。
(コツを後で少し説明します)

ピントの合わせ方(重要!!)

もう1つかなり重要になってくるのが、「ピントの合わせ方」です。

昼間の明るい時と比べて夜の撮影ではピントが合わせにくいのですが、夜景では「ピントがしっかりあっているかどうか」が写真の美しさを大きく左右します。しっかりと合わせられるようになりましょう。

と言っても、実は一眼レフカメラにはこのピント合わせを助けてくれる機能がついています。昼間の風景撮影でもとても役に立つので、ぜひ覚えて使ってみてください。

まずは「カメラの設定」のところでも書いたように、背面液晶に写る「ライブビュー」に設定します。この方がファインダーで見るよりも明るく、大きく見えるので夜の場合はピント合わせがしやすいです。

ここからが重要です!!

下の写真のように背面液晶に写った画面を拡大するボタンがあるので、それを押します↓

すると最初の写真が下のように拡大表示になります↓

この状態でマニュアルフォーカスで慎重にピントを合わせていきます。

コツは画面の中で一番明るい光とか、一番目立つものを見つけてそこにピントを合わせることです。

そうすると、ファインダーを覗いて合わせた時や拡大表示せずに合わせた時に比べて格段に正確にピントが合わせられます。

あとはシャッターを切るだけ

露出とピントが決まったらあとはシャッターを切るだけです。

人それぞれやり方はあるのですが、僕のおススメはセルフタイマーを使った方法です。

あらかじめセルフタイマーを5秒くらいに設定しておいて、普通にシャッターボタンを押すだけでブレを気にせずに写真を撮ることができます。これならばカメラと三脚という手軽な装備で撮影できますしね。

最近では無線型のリモコンやWi-Fiがついている機種では、スマホをリモコン替わりに使える機能もあるのでそれを使ってもいいと思います。

重要なのは「シャッターを切る時に振動を与えないこと」なので、静かに落ち着いてシャッターを切りましょう☆

応用編。おススメの方法を紹介します!

ここからは僕のおススメの夜景撮影のコツをご紹介しようと思います。

全ての状況に当てはまるわけではないので、臨機応変に使ってもらえればと思いますが、もし良ければ使ってみてください。

オレンジの光はやや暗めに、青色の光はやや明るめに

ライトアップの光の強さによって若干変わってくる場面はあるのですが、オレンジっぽい光でライトアップされるような古い町並み、レンガ造りの建物、キャンドルライトのようなものはやや暗めに撮った方が影の黒色が引き締まってカッコいい印象があります。

逆にイルミネーションや街の夜景など、青色や白が多い場面では自分が思ったよりも明るめに撮った方が華やかなイメージになると思います。

あまり明るくない場所でも雨の日なら画になる

金沢で夜景を撮っていてよく思うのですが、古い街並みとかレトロな建物のライトアップは光の明るさが控えめで、目で見ているとあまりキレイに見えないかもしれません。

ですがそんな弱い光の場所でも、雨の日なら状況は変わってきます。光が路面に反射&拡散して全体的に光輝いたように見えるからです。

当ブログの金沢夜景の多くが雨や雪の日に撮影しているのもそういう理由があるからです。

雨の日の夜景撮影はかなりおススメですよ!

シャッターを長く開けすぎるなら、比較明合成を使った方がいいこともある

上の写真を見て何か気づいたことありますか?

道路に光の筋のようなものがかなり入っているのが分かると思います。これは車の通った軌跡です。

これだけキレイに筋が入っているのは、「比較明合成」という編集方法を使って20枚の写真を重ねているからです。

比較明合成についてはまた詳しい記事を書くかもしれませんが、簡単にまとめると「Aという写真にBという写真を合成する場合、同じ明るさまたは暗いところはそのままで、Bの中でAより明るいところだけを合成する方法」ということです。

かなり分かりにくくて申し訳ないですが、上の写真では街の灯りはそのままで車のライトだけがどんどん足されていくイメージです。例えば、星の軌跡を写した「グルグル写真」や蛍の飛んだ後を記録した写真なんかで使われています。

比較明合成が開発される前は、このような軌跡を収める写真はシャッターを何分~数時間開けっ放しにしておくという方法で撮影されていました(今でもそういう方法で撮っている方も多いです)

ただそれだけ長時間シャッターを開けておくということは、途中に余分な光が入ってしまうとすぐに失敗写真になります(ホタルの撮影中に車のライトが入るとかよくある・・・)
他にも撮っている被写体が風で動いたり、撮っているカメラが振動で動いてしまう「ブレ写真」になる可能性もけっこうあります。

そんなときのために、シャッタースピードを5秒に固定した写真を数十枚とかそれ以上比較明合成で重ねて、シャッターを数十分開け続けた写真と同等のものを撮影することもできます。

比較明合成ですがPhotoshopなどをお持ちの方はすぐにできますし、最近では無料のソフトなどでも使えるものがありますので、お手軽に始めることもできます。

最後に

以上、簡単にですが夜景撮影の基本からおススメの方法までをご紹介してきました。

なかなか文章では十分にお伝えできないこともありますので、手前味噌ですが「夜景撮影写真教室」などもやっております。

また機会がありましたらご参加ください。

当ブログでも何度か掲載させていただきましたが、僕の住む金沢は古い街並みのライトアップもありつつ、近代的なイルミネーションや街の夜景も楽しむことができます。ぜひカメラマンのみなさんも撮りに行っていただきたいですし、金沢にお越しの際はぜひ金沢夜景をお楽しみください。

↓写真教室もやっています。

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