イベントや動くものの撮影に便利な「ISO感度オート(感度自動制御)」についてまとめてみました。

この記事は約7分で読めます。

カメラを始めてまず最初に多くの人が悩むのが「カメラの設定」だと思います。

そして基本の設定を覚えて少しずつ撮れるようになると、もっと便利で自分が使いやすい設定にしたいと思う人も多いのではないでしょうか?
カメラの設定って人それぞれに好みがあり、撮るスタイルによって変わってきたりもします。

その中で今日はカメラ初心者の方から上級者までが使える「ISO感度オート(感度自動制御)」について少しまとめてみようと思います。

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ISO感度オートとは?

まずは「ISO感度オート(感度自動制御)」とは何かと言うところです。

写真を撮る時に露出(明るさ)を決めますが、露出の設定は「絞り」「シャッタースピード」「ISO感度」の3つの数値を入れることで決まりますよね。

「ISO感度オート」とは文字通りその中の「ISO感度」をカメラが自動で決めてくれる機能です。

こちらはNikonのD750の設定画面です。「メニューボタン」→「静止画撮影メニュー」→「ISO感度設定」と進むと、「感度自動制御」をONにするかOFFにするか設定できますので、これをONにすると「ISO感度オート」という状態になります。

キャノンの例は↓

【デジタル一眼レフカメラ】ISO感度の設定を変更する方法(EOS Kiss X4)

カメラのメーカーや機種にもよりますが、ISO感度オートにすると「制御上限感度」「低速限界設定」を同時に設定できるものがあります。

上の2つの機能が付いているかはこちらのページが参考になりました↓

ISOオートを上手く設定しよう(上限感度・低速限界)
ISO感度オート設定は必要以上に感度が高くなり、画質低下が大きくなることがあります。 しかしISO上限感度・低速限界設定を組み合わせることで、無駄な画質低下を防ぐことができます。 ISO感度を確認する手間が省けるので、撮 ...

「制御上限感度」とはISO感度オートを使うときに、カメラがISOを上げる一番上の数値のことです。上の写真のように「6400」にすると一番数値が上がっても6400までしか上がらない設定になります。
ISO感度を上げすぎると写真がざらつく(ノイズが出る)ので、そうならないように上限を決めるという使い方をします。

「低速限界設定」とはシャッタースピードの一番遅い数値を決めるものです。写真のようだと一番シャッタスピードが遅くても125分の1までしか下がらないようになります。
シャッタースピードが遅いと手ぶれが出るので、被写体に応じてシャッタースピードが下がりすぎないように使います。

ISO感度オートのメリット

上の項で「 ISO感度オート ってだいたいこういう機能」というのを見ていただいたうえで、この機能の使える点について見ていきます。

ISO感度が自動で決まるので設定が楽になる(基本)

まずは当然ですが、ISO感度の設定をカメラ任せにできるので露出(明るさ)の設定が楽になります。

カメラの設定にこれから慣れていこうという初心者の方はもちろん、被写体に集中したい方、撮影場所の明るさが頻繁に変わる場合などもカメラが上手く調整してくれるので、露出の設定がかなり楽になります。

手ぶれを防ぎやすい( 「低速限界設定」 機能があるカメラ)

最初のところで説明した 「低速限界設定」 が設定できるカメラに限られますが、手ぶれを防ぎやすいというメリットがあります。
(入門機には 「低速限界設定」 が付いていない場合も多いので、その際は別の機能で代用が必要です)

「低速限界設定」を使うと「それ以上シャッタースピードが遅くならない」(ISOの上限次第ではありますが)ので、自分が手ぶれしないシャッタースピードを設定しておくと手ぶれを防ぎやすくなります。

*ISO感度を上げすぎると画質が低下するので、「制御上限感度」も合わせて使って数値が上がりすぎないようにしておくのがおススメです。
明るさが変わらない状況では「シャッタースピード優先オート」の方が使いやすいこともあるので、状況次第で使う機能を選択しましょう。

イベントやスナップ写真の撮影に便利(上級者向け)

写真の明るさは「絞り」「シャッタースピード」「ISO感度」の組み合わせで決まります。

そしてこの3つの設定項目は写真表現を変える際にも使いますよね。

絞り → 被写界深度(ボケ量)のコントロール

シャッタースピード → 被写体の動きのコントロール(ブラすか止めるか)

ISO感度 → 画質の変化(ノイズが多いか少ないか)

この設定項目を自分で調整することで写真表現を自分が思ったように変えられます。ですので上級者の人ほど自分で数値を設定できる「マニュアルモード」を使う人が増えていきます。

当然、写真の表現を自分の思い通りにしたいならマニュアルモードで自分の考える数値を入れればいいのですが、実際はなかなか難しい場面もあります。

イベント撮影や動きものの撮影がそうだと思います。

そこで僕はそういった撮影の場合・・・

マニュアルモードで「絞り&シャッタースピードを固定、ISO感度オート」

という撮り方をよくしています。

考え方としては、被写体をブラすか止めるか(シャッタースピード)+被写界深度(絞り)を決めてしまい、ISO感度オートで露出を制御するという感じです。

イベントやスナップ撮影の場合は「いかにいい場面を撮り逃さないか」という即写性が重要ですが、できるだけ写真の表現(背景のボケや被写体の動き)も大切にしたいということで、 「絞り&シャッタースピードを固定、ISO感度オート」 というそれらを両立できる撮り方をしています。

そのほかにも細かいことですが、「ISO感度オートだとカメラが設定するISOの数値幅が細かくなる」というメリットがあるようです。
(Nikonの中級機以上でマニュアル&オートモードでは確認済み。他のメーカーやモードの違いでどうなるかは確認できてません・・・)

NikonのD300の撮影データをLightroomで確認したものです。

撮影時には手動で設定できない「ISO450」に感度オートの場合はカメラが設定しています。

これは絞りやシャッタースピードが3分の1段刻みで変わるのに比べ(2分の1段刻みにも変更可)、ISO感度オートに設定した場合に限り、6分の1段刻みで調整が行われているからのようです。

ISO感度オートで気を付けること~ 数値の上がりすぎには注意する ~

便利なISO感度オートですが、撮影時の条件(暗い場所など)によっては不必要に数値が上がって画質が低下してしまうこともあります。

何枚か写真を撮ったらどのくらいの設定になっているか、念のため確認しておくことをおススメします。
また、「制御上限感度」の機能がほとんどの機種にはついているので数値が上がりすぎないように合わせて設定しておく方がいいと思います。

もし「制御上限感度」の機能が無い場合や思ったより数値が上がってしまう場合は、いったんオートを解除して手動で設定しなおします。

ちなみに余談ですが、日ごろ使っているNikonのD750の場合、動画録画ボタン(緑)をISO設定ボタンに設定変更ができます(Nikonはだいたいできそう)

このボタンを押しながら背面側のダイアル(赤)を回すとISOの数値の設定ができますし、レンズ側のダイアル(青)を回すと、ISO感度オート⇔手動の切り替えができるので便利ですよ。

まとめ

ISO感度はフィルムカメラが中心の時代は、フィルムによって固定のものでした。
またISO感度は画質に直結する大事な要素なので、あまりカメラ任せに出来ないものでした。

しかし最近になって、ノイズに強い(ISO感度を上げやすい)フルサイズセンサーのカメラの登場や画像処理の発達によって、高感度も使うことができるようになってきました。

カメラマン自身のイメージをそのまま表現しやすいという意味ではこれからもマニュアルモードで撮ることは大切だと思いますが、写真撮影はタイミングを逃さないことや構図など大切な要素が他にもあるので、機材に頼れる部分が増えてきたことはいいことだと思います。

今回のISO感度オートのことに限らず、より撮りやすい設定や撮影方法がそれぞれのカメラマンで出てくると写真も楽しくなりますね。

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