ポートレートモデルさんの募集を始めさせていただいてから約5年がたちました。大変ありがたいことにこのたび、応募いただいた方が400人を超えるまでとなり、ご協力いただいたみなさまには本当に感謝です。
一方でスケジュールの都合やコンセプトの違いなどから、お受けできなかったみなさまも多く、申し訳ありません。
今回はそのような節目ということもあり、ポートレートモデルの募集についてご質問が多かったことや自分の考え方についてまとめさせていただきました。ぜひ今後のご依頼の参考にもしていただければと思います。
1、私のポートレート撮影の考え方
自分の中のポートレート撮影の目的として、大きく分けると
「撮影技術・コミュニケーション能力の向上のため」
「作品撮りのため」
の2つの理由があげられます。
特に、本格的にポートレート撮影を始めるまで撮影時のコミュニケーションが苦手だったこともあり、「あまり撮影を経験をしたことが無い方と上手くコミュニケーションを取りながら、よりクオリティの高い写真を残すか」ということが第一の目的になっています。
ということもあり、初めて撮影を経験されるモデルさんや撮影経験が少ないモデルさんも全然OKで、むしろ経験が少ない方を優先して選ばせていただいているということもあります。
この点はモデル募集をされている他のカメラマンさんと違う点かもしれません。
ただその一方で、ここ1年間くらいは写真展開催やフォトブック作成も視野に入れた「作品撮り」も並行して進めています。こちらの方ではコンセプトを共有できる経験豊かなモデルさんのご協力もお願いしていて、より作品性が高い写真を残していければと思っています。
2、「基本的に撮影は相互無償」という考え方について
ポートレートモデル募集のページでは
基本的に相互無償での撮影をお願いしています(遠方からお越しいただく方、撮影が長時間になる場合の食事代・お茶代、施設への入場料、着物撮影といったレンタルや支度が必要な場合などはご相談のうえ負担させていただきます)
と書かせていただいているとおり、実費の負担をお支払いする以外は基本的に相互無償(お互いに費用負担は無し)ということで撮影をお願いしています。
これはカメラマンである僕の方から、撮影費や撮影したデータを提供・負担する代わりに、モデルさんの方から写真を公開・使用する権利を提供してもらうことにより、「お互いの負担を相殺する」という思いがあります。
本来はカメラマンの撮影費、モデルさんのモデル代はそれぞれにかかるものですので、「最初から無償で」というより「お互いの費用を相殺して無償にする」という風にご理解いただければと思います。
ということですので、僕の方から有償でモデルをお願いすることもありますし、応募条件に合わない場合にモデルさんの方からお金をいただいて仕事として撮影することもできます。
(例えば、「写真を公開したくない」「自分のコンセプト通りに撮ってほしい」などのご都合に合わせて)
『相互無償』という考え方について一言。
ポートレート撮影をされているカメラマンさん、モデルさんの中で「相互無償での撮影でお願いします」という書き方をされている方もいらっしゃると思いますが、若干違和感を感じることがあります。
プロであろうとアマチュアであろうと、基本的に誰かの時間を自分のために空けてもらい拘束するという行為には対価が発生します。よって、お互いの合意があって初めて「お互い無償で撮りましょう」となるのが普通なので、無償での撮影が前提となると、撮影機会も減ってしまいますし、カメラマンさんやモデルさんをきちんと評価するという前提が崩れてしまうようにも思います。
もちろんお互いに合意できた上で、費用負担なしでというのはいいことだと思います。ただ、「自分のために時間を取ってもらって撮影に協力してほしい」と思うのであれば、相手に対してきちんと対価を払ってお願いするということも必要不可欠ではないかと思うのです。
3、写真を見せることの大切さ
これまでモデル募集をさせていただいて悩ましいのが、せっかくご応募いただいても、「どんな写真をこれまで撮られてきたのか」「どんなモデルさんか」というのが分かりにくい方が一定数いらっしゃるということでした。
初めてモデルをされる方や経験が少ない方はなかなか見せられる写真が少ないとは思いますが、上半身や全身がしっかり写っていて「どんな人か」が分かる写真は何枚か送っていただきたいです。今は昔と違ってスマホなどでもクオリティの高いものが撮れるので、なるべく加工はせずありのままの写真があればとても参考になります。
(たまにSNSの公開状況を「非公開」にしている方がいらっしゃいますが、コンタクトを受けた側からすれば判断が難しいです。その場合は理由を明らかにした上で個別に連絡を取っていただくのがいいかと思います)
また、もし本格的にモデル活動をされるのであれば「ポートフォリオサイト」など、作品が見やすいページを作ることをおススメします。
もちろんInstagramやTwitterなどのSNSでもいいのですが、SNSは過去の写真が見にくかったり、カテゴリー別に分類するのは難しく、「見せる」という趣旨からすればブログやホームページの形の方が伝わりやすいです。
今はwixやjimdoほか、いろんなサービスでポートフォリオサイトが簡単に作成できるので一度検討してみてください。