みなさん、こんにちは。
突然ですがみなさんは「モノクロ写真」は撮ったことがあるでしょうか?
日本では モノクロ写真=白黒 という印象が強いですが、モノクロ(monochrome)=単色という言葉の通り、セピアなど本来は単色系の写真をモノクロ写真と呼んでいます
(それでも日本では白黒であることが多数ですが)
日本で実際に写真集やSNSなどで発表されている写真の多くはやはりカラー写真が主流になりますが、モノクロ写真を強烈に愛する写真愛好家も多いですよね。
実は僕も何年か前に、仕事でモノクロ写真がメインに掲載される媒体に関わっていたこともあり、モノクロの世界にはいろいろな面でお世話になりました。
その時の経験が今にして思えば、カラー写真の成長に繋がっている気がします。
今日はそんな自分自身の経験も踏まえながら、モノクロ写真について書いていきたいと思います。
モノクロ写真とカラー写真の違い
モノクロ写真がカラー写真と違う部分、表現の仕方として難しい点は次のような点があります。
*色が単色のため、色に頼った表現ができない
*メインの被写体が背景に埋没してしまうことがある
*撮影時はカラーで見えているものを現像でモノクロに変換するのにイメージが掴めない(カメラの設定によっては改善可能)
最近のミラーレスカメラの普及により、「クリエイティブスタイル」などの機能を使えばリアルタイムでファインダーや液晶画面にモノクロの状態で表示がされるようになりました。
ただそれでも撮影時には、メインの被写体と背景のバランス調整や光の当たり方などがシビアで、慣れるまではかなり戸惑ってしまうかもしれません。
ただ僕の経験から振り返ってみると、上の3つの難しい面は写真をレベルアップさせてくれるちょうどいい課題だったような気がします。
次からはそのあたりを詳しくご紹介していきます。
「色」という大きな要素に頼らない表現
写真の中で重要な要素として、「色」「構図」「光と影」が挙げられます。
(細かく言うともっとありますが)
その中でも色はかなり重要な部分を占めていて、写真を見た時の第一印象として意識することが多いのが色になるのではないでしょうか。
モノクロ写真とは、この「色」という要素に頼ることをやめ、「構図」&「光と影」で勝負する写真だと言えると思います。
例えば、色が表現の重要なポイントとなる花や紅葉などの場合は構図や光の当たり方を相当工夫しなければならず、写真を見る人に伝わる写真にするという面では撮り方がかなり限定的にならざるを得ません。
構図の面でカラー写真より難しくなるのが、「被写体が背景に埋没しないようにすること」です。特に被写体の黒になる部分と背景の黒になる部分が重ならないように気を付ける必要があり、構図を考えるうえでよりシビアなイメージ力と微調整が必要になってきます。
光と影の使い方、光の読み方がシビアになる
モノクロ写真で写真をより印象的に仕上げようとすると、光と影の使い方が重要になってきます。「光の読み方」と言い換えてもいいかもしれません。
明るいところから暗いところに向けてどのように明るさ(輝度差)が変化しているかを見極め、自分が表現したい雰囲気に合わせて撮影位置を微調整する必要があります。場合によってはライティング機材の微調整も必要になってくるでしょう。
自分が描いているイメージに合わせて、被写体に光が当たる方向・強さを見極めることはカラー写真の撮影と同様ですが、モノクロ写真の場合はその精密さがさらに求められます。
被写体の立体感、形の美しさをいかに表現するか
モノクロ写真は撮影対象の色を排除しているため、その分対象の質感や立体感、形の美しさに目が行きやすい撮影方法と言われています。
これまで紹介してきた構図や光の読み方とも重なりますが、対象の特徴や美しさを感じ取る目と実際に写真にする表現の方法が求められます。
撮影者が自分の撮りたい被写体を探していく時、やはり色というのは目が行きやすいポイントになると思いますが、モノクロ写真を撮り始めると対象の質感や形の特徴にも注目する必要があるため、被写体選びの基準がより多くなり、表現の幅がより広がるのではないでしょうか。
まとめ~モノクロ写真を通じて得られるもの~
以上のように、モノクロ写真の難しさと注意するべき点についてまとめてきました。
僕はモノクロ写真を通じて得られるものは次のようなものだと思います。
*写真を見る人により伝わる「構図力」
*被写体の質感、形の美しさを表現する「光を読む力」
*被写体選びの基準が増え、表現の幅が広がる
そしてこういった力や経験はカラー写真を撮る時にも大きな力を発揮します。モノクロ写真で培った経験が写真のレベルを大きく引き上げてくれるでしょう。
カラー写真にもモノクロ写真にもそれぞれの良さ、表現の特徴があります。両方に挑戦してみることでそれぞれの表現の違い、自分の感じ方の違いも知ることができ、表現の幅を広げるのに役立つのではないでしょうか?
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