撮った写真をステップアップさせる方法~撮る前に言葉で表現してみよう~

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カメラの設定に慣れてきて、自分の意図する写真が撮れるようになってきた方の多くが「写真をもっとステップアップさせたい」と考えていると思います。

今回はそんな方向けに、「撮った写真をステップアップさせるためにどんな準備・心構えが必要か?」というテーマでまとめていきたいと思います。

キーワードはずばり「撮る前に言葉で表現してみよう」です。

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その写真、漫然と撮っていませんか?

 

上の写真をご覧ください。今年の夏の始まりにひまわりがどれだけ咲いているかという記録用に撮ったものです。記録用という意味はありますが、特にきちんとした写真としてお見せするものではありませんでした。

作品としての写真を撮る場合、「何を伝えるのか」「何が魅力的なのか」「どこを見てほしいのか」などの明確な意図・思いが必要になってきます。

確かにカメラを始めて、ある程度操作に慣れるまでは露出や色・ピントといった最低限写真として成り立たせるための設定に気を取られるのは仕方ないことです。その結果、構図や画作りに気が回らない「何となく撮った写真」になりがちなのではないでしょうか?

ある程度カメラの操作に慣れてくればこの「何となく撮った写真」から「伝わる写真」をぜひ目指してほしいと思います。

「伝わる写真」にするには「明確な意図」=「言葉」が必要

では実際に「伝わる写真」にしていくにはどうしたらいいのでしょうか?

下の写真をご覧ください。

今年の春に金沢市内のバラ園で、日がほとんど沈んだ時間(マジックアワー)に撮影したもの。今シーズンのバラの中で自分の意図が一番反映できた1枚です。

「1日の終わりに美しく妖艶なバラがどこか寂しく夕日の中で輝く」

これが僕がこの写真で表現しようとしたテーマです(伝わっているかは別として・・・)

 

実はこのようにテーマを決めると撮影場所や時間帯と天気、カメラの設定、撮影後の編集がおのずと決まってくるため、迷うことが少なくなるというメリットもあったりします。

①1日の終わりに・・・夕方の時間帯、できれば少し青みが入ったマジックアワー

②美しく妖艶なバラ・・・赤いバラのイメージ

③どこか寂しく・・・いくつか咲いている中の1本に絞る

④夕日の中で輝く・・・逆光でメインの一本以外はやや暗めに仕上げる。
できれば光芒を入れたい

というふうに「設定したイメージの言葉」を因数分解していくことで選ぶべき撮影場所や時間、編集方法などがおのずと導きだされるようになります。

 


 

もう1つ紹介しておきましょう。

小松市内の那谷寺という紅葉スポットで、雨に濡れた橋の上に紅葉が写りこむ姿を撮影したものです。

イメージは「静寂に包まれた美しき紅葉の世界。現実と虚構の間に」

これを因数分解すると以下のようになります。

①静寂に包まれた・・・人がいない瞬間を狙う。やや青めに仕上げる。

②美しき紅葉の世界・・・色づきがいい時期を狙う。

③現実と虚構の間に・・・雨上がりのリフレクションが狙える時に撮る。
リフレクションが写るローアングルで。
コントラスト上げ、シャドウ下げでくっきり仕上げ。

実はこのイメージ通りに撮るために、ベストの時期を地元の人に教えてもらったり、雨の日をひたすら待ったり、観光客がものすごく多いので人が通らない一瞬を2時間じっと待ったりしています( ;∀;)

ここまでこだわれるのはほんと条件が整わないとかなり厳しいですが、イメージを事前に組み立てていくつか気をつけるだけでも、写真は大きく変わってきます。

写真と言葉の関係

最後にちょっと専門的なお話になりますが、興味のある方はお付き合いください。

僕が写真と言葉の関係を考えるきっかけになった1つに、よく参考にさせてもらっているビデオブロガーのジェットダイスケさんの動画がありました(開始から2分ごろまで。内容はほとんど別のお話しですが・・・)


動画の中でダイスケさんも言われていますが、「撮った写真が文脈と時間軸が無くても表現できているか?」というのが写真を撮る人にとっては重要な課題になってきます。

写真に題名も説明もつけられないとしたら、その写真1枚で見ている人に何かを感じ取ってもらおうとすればそれはとてつもなく難しいことです。

だからこそ僕は逆に「写真を撮る前にどんな写真を撮るかを言葉でしっかりと明確にすること」が大切だし、写真をステップアップさせるために必要不可欠なのではないかと思っています。

 

一方でダイスケさんも動画の中で少し触れられていましたが、写真と文章が共存する場合もあります。

雑誌や新聞もそうですし、というかほとんどが写真と文章は共存するのが今の社会ですがw

そういうものを作り出すライターやジャーナリストにとっての写真というお話も今後またできたらな~と思っています。

 

ぜひ写真をステップアップさせたい方は「写真を撮る前にどんな写真を撮るかを言葉でしっかりと明確にすること」について考えてもらえればうれしいです。

 

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