目的から逆算して写真を撮ると写真が格段に上手くなる

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「プロのカメラマンはなぜ写真が上手いのか?」

というと馬鹿にしているのかと怒られそうですが、理論的に説明していくには実は難しかったりします。

被写体をバランスよく配置する力(構図)、光の使い方、いい機材を使っているから・・・・

さまざまな理由が挙げられますが、最近いろいろと考えていて最もそれらしいなと思ったのが、タイトルにもあるとおり

目的から逆算して写真を撮る力

がけっこう重要な要素かもしれないと思っています。

今日はそんな「目的から逆算して写真を撮ること」について書いてみます。

「写真を長い間撮ってきたけどなかなか納得がいかない」「人に写真を見てもらってもあまり褒められない」という方はもしかしたら考えるヒントになるかもしれません。

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プロカメラマンの思考回路

みなさんは「写真を撮りに行こう」と思ったとき、どんな準備をして撮影に行くでしょうか?

思い付きでとりあえず出かけてみる方、いいスポットが無いかインターネットなどで念入りに調べて出かける方などさまざまだと思います。

ここで写真を撮って完成させるまでの過程を簡単にまとめると次のようになります。

趣味で写真を撮る場合

①撮影する場所・日時を決める

②撮影に行く

③イメージを練りながら撮影

④写真が完成、もしくはレタッチをして完成

仕事で写真を撮る場合

①撮影依頼。クライアントから完成イメージの指示があるか、カメラマン側からイメージを提案しながら完成イメージを共有

②完成イメージに合わせた撮影場所・日時・機材の選定

③撮影。イメージに合わせて微調整しながら撮影

④イメージに合ったレタッチを行い完成

上はほんの一例なので、異なる場合も多くあるのですが、仕事として撮影を請け負う場合、クライアントからの指示がある場合もしくは、撮影前にイメージ共有をする場合がほとんどです。

「こういう写真を完成させる」という目的先行型の撮影がプロカメラマンの場合はほとんどで、先に作り上げたイメージに沿って、撮影場所やライティング、機材を適切に準備します。
撮影後に行うレタッチも完成イメージに沿って行います。

つまりプロカメラマンの撮影における思考回路は、完成イメージという目的からスタートし、必要な条件・機材を割り出し、最後にレタッチで微調整するという逆算方式で考えていると言えます。

目的から逆算して写真を撮る例

①テーマ「春の金沢を象徴する風景」(雑誌特集の表紙用)

①クライアントからの指示
  雑誌特集の表紙に使うため、春の金沢を象徴するインパクトのある写真。特集の題字を入れやすい構図と一目で金沢の雰囲気を感じられるように。

②イメージの具体化
  春=桜で表現。夜景の街の側面を出すため夜桜にする。金沢の雰囲気は有名観光地である金沢城を入れる。題字を入れることを考え、桜の面積を大きく取りデザインをしやすくする。

③撮影の準備
 夜桜と金沢城を狙うため、春のライトアップ期間中の晴天・桜の満開時期を狙う。迫力を出し、夜桜と城郭を圧縮効果で狙うため望遠レンズを想定。

④撮影とレタッチ
 白飛びしやすい城郭をしっかりと表現するため、ややアンダー目に撮影する。夜桜と城の荘厳な雰囲気を出すため、やや青色よりの色補正を行う。

②テーマ「店内を分かりやすくイメージ良く」(ホームページ用)

①クライアントからの指示
  ホームページやポータルサイト掲載用に店内の雰囲気が分かってもらえるように。新メニュー(チーズフォンデュ)のイメージアップ。

②イメージの具体化
  サイト閲覧者にイメージしてもらいやすいよう営業中の照明と全く同じで撮影。照明の色や明るさを正確に再現する。小さな画像でもわかりやすい構図・多数の飲食店が掲載されるサイトで埋没しない印象は残す。

③撮影の準備
 営業中の雰囲気を損なわないため、自然光のみでの撮影を想定。三脚のみでの撮影を想定。

④撮影とレタッチ
 照明の色と明るさを正確にレタッチで再現。見た通りの雰囲気を重視しつつも印象を残すため、若干コントラストと明瞭度をあげる。


①のクライアントからの指示を受けて、よりイメージを具体化した方がいい場合やより良い提案があれば、こちらからもクライアントに提案を行い、イメージをすり合わせます。

その後、イメージに合わせて機材や場所を選定し、条件を整えます。撮影現場の光の向きや強さは仕上がりイメージに大きく関わるので、可能な限りロケハンを行い、ライティングの必要性を考えます。

④の撮影とレタッチでは、イメージをクライアントと共有した時点で撮影方法やレタッチ方法は決まっているので、微調整を行いながら撮影・レタッチを行います。

「逆算して写真を撮る」ための練習方法

これまでは具体例も踏まえて「目的から逆算して写真を撮る」ということについて見てきました。

これに対しては「プロカメラマンだからできること」「いろいろと大変そう」というご意見もありそうです。

そんな方に自分の経験も踏まえて、おススメの練習方法をご紹介します。

SNSなどでイメージを膨らませ、事前準備をする

まずは「SNSなどでイメージを膨らませる」ことと「事前準備をする」ことが第1の方法です。

これは「SNSで見た写真をそっくりそのまま撮る」ということではありません。

自分が行ってみたい場所、その季節の撮影スポットで以前に撮られた写真からイメージを膨らませ、どんな構図が撮れるのかやどんな光だとキレイに写るのかなどを想定してみることです。

そのうえで持って行った方がいい機材を準備したり、そのスポットが一番いい時期・時間帯などを考えてみる事前準備ができればいいと思います。

フォトコンテストや写真展に参加する

そしておススメなのが「フォトコンテストや写真展に参加する」ということです。

これらに参加するのは、「自分の作品をより多くの人に見てもらう」というのが大きな目的ではありますが、実は作品を作り上げる過程がかなり大切で、とてもいい練習方法だったりします。

特に最初のうちはテーマが決められたフォトコンや写真展をおススメします。
これはテーマがあることで、今まで書いてきた「目的」が先にあり、それに向けて作品を作ることが必要になってくるからです。

「テーマ」=「目的」に対して、逆算して何を準備して何を撮るのかを考え、練習できるのがフォトコンや写真展だったりします。

まとめ

以上、写真が上達する上での大事な方法だと思う「目的から逆算して写真を撮る」ということについて書いてきました。

もちろん、趣味で撮影されている方でもしっかりとイメージを固め、下調べや準備をして、作品づくりをされている方も多いですし、プロカメラマンの現場でもイメージ作りがほとんどできないまま撮影に臨まざるを得ないこともたくさんあります。

もし壁にぶつかっている方がいらっしゃれば、イメージ作りや目的から出発していろいろと準備をしながら撮影するというやり方も試してもらえればと思います。

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