先日、ある団体のご依頼で能登半島地震の被災地取材がありました。2月9日・10日で輪島市・能登町・珠洲市といった地震被害が大きかった奥能登を回る取材に同行させていただいたので、備忘録的にまとめておこうと思います。
※記載する情報はあくまで2024年2月上旬のものです。状況は刻一刻と変わりますので、ぜひ公的機関などのホームページ・SNSなどで最新の情報をご確認ください。
※道路状況やライフラインはかなり改善されていますが、不要不急の移動は引き続き控えるよう自治体からは案内が出されています。移動については細心の注意をお願いします。
取材の大まかな行程
2月9日
5時 金沢駅出発
5時45分ごろ のと里山海道千里浜インターを降り、国道159号線方面へ。
⇒柳田インター付近で検問がある可能性があり、スムーズに移動するため下道へ
国道159号線で七尾市街・和倉温泉を抜け、穴水町方面へ
6時45分ごろ のと里山海道の徳田大津インターと国道159号線の合流点・大津交差点付近から次第に車が増え始める。中島町中心街では渋滞となり、横田インターとの合流点である道の駅「なかじまロマン峠」付近はかなりの渋滞。その後も断続的に渋滞が続き、穴水町中心街で徐々に渋滞は解消。
8時15分ごろ のと里山海道の穴水インターからのと三井インターへ移動。輪島市街地へ向かう
9時15分ごろ 輪島市内の取材先へ到着
※その後、輪島市内や朝市通り、白米千枚田を取材
12時ごろ 輪島市内を出発。県道1号・271号を通り、303号線(珠洲道路)へ。その後273号・
37号を通って能登町内の取材先へ(到着13時)
※その後、能登町内や松波地区などを取材
17時ごろ 能登町内の取材先を出発。国道249号線で宿泊地の和倉温泉に向かう
18時ごろ 行きと同じく穴水町から七尾市に入ったあたりで断続的な渋滞。
19時15分ごろ 宿泊地の和倉温泉に到着
2月10日
6時半 和倉温泉を出発。国道249号線を通り、のと里山海道の穴水インターからのと里山空港インターへ、珠洲道路を通って珠洲市内へ向かう。
(前日と同じく7時前後から中島町周辺で渋滞が発生)
8時45分ごろ 珠洲市内の取材先へ到着。その後珠洲市内を取材
15時15分ごろ 取材を終え、珠洲市内から金沢へ向かって出発。珠洲道路から国道249号を通り、のと里山海道徳田大津インターから金沢方面へ向かう。
19時半ごろ 金沢市内に到着
交通に関するまとめ
参考になるページ:https://www.pref.ishikawa.lg.jp/saigai/202401jishin-douro.html
※のと里山海道については一般車両が走行可のところについては、若干の段差などあるものの問題なく走れる。
※国道249号線で七尾市・穴水町境付近が特に渋滞しやすくなっている。
※各市町の中心部は特に問題なく走行可能。国道・県道はかなり整備されてきている。
※輪島市内から日本海沿いを通って珠洲市に向かう国道249号線は復旧までに時間がかかる印象。今回は千枚田までしか行かなかったが、仮復旧の場所も多く、ある程度しっかりした車でないとトラブルが起こる可能性が高い。
※珠洲道路や国道249号線で能登町を経由して珠洲市に向かうルートは、ところどころ段差や一方通行があるが、注意すれば比較的通行しやすい。
(どちらかというと珠洲道路を通る方を推奨)
写真ルポ
報道でもよく出されている輪島市の朝市通り周辺。
市内でも特に被害が大きかった地域で、建物の倒壊に加えて火災で変形した様子が見て取れます。
今でも行方不明者の方がいらっしゃるということで、警察や医療関係の方が捜索を続けていらっしゃいます。
輪島市内から珠洲市へ向かう海沿いの国道249号線。あちこちで道路の陥没や地すべりが見られます。
国道249号線沿線は多くの孤立集落が出ている地域で、う回路も少ないため現在も移動には細心の注意が必要です。
奥能登を代表する観光地の白米千枚田。展望台となっているポケットパークから全体を見ると被害の状況が分かりにくいですが、下に降りていくと用水の破損や水田の亀裂が見られます。
また、一見大丈夫に見える棚田も地震による隆起や変形により、水が上手く貯まらない可能性もあるため、今後耕作可能かはこれから調査が進められます。
棚田下の海岸部分には報道などでもあるとおり、地震による隆起の跡が見られました。
宿泊した七尾市の和倉温泉街。ところどころに亀裂が見られ、断水も続いています。
今回は風呂なし・食事なしの素泊まりで何とか宿泊をさせていただきましたが、以前のような観光客の受け入れにどれくらい時間がかかるかは見通しが立っていません。
今回の地震では多くの酒造に影響が出ています。
能登町の鶴野酒造(上)、松波酒造(下)も被害を受けました。
大きな被害を受けた珠洲市の正院地区。倒壊した建物が目立ちます。
大通りは車が通れるようにがれきなどの撤去が行われていましたが、裏通りに入ると電柱の倒壊も目立ちます。
一番下の写真は市内で開催されていた奥能登国際芸術祭に出展された「珠洲海道五十三次」という作品ですが、壁面が破損していました。
珠洲市の代表的観光地の見附島。
昨年5月の地震の際にも島の崩落が伝えられましたが、今回の地震でもかなりの崩落がありました。
近くには流れ着いた漁船の姿もあり、地震の揺れとともに津波の凄まじさも感じます。