「人を撮るのが苦手」という悩みの理由と改善方法を考えてみた

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写真教室の講師をやらせていただいていると、質問としてよく出されるのが「人を撮るのが苦手なんですが、どうすればいいですか?」というものがあります。

カメラをしかも一眼レフなどを持っていると周りの人から「写真撮って」と言われることも多いので、できればうまく人の撮影ができるようになりたいですよね~。

実際にプロになる前の僕も人を撮るのがとても苦手でしたが、経験を積んだり人を撮るのが上手い人の撮影の様子や解説動画などを見て、何となくものになるようになってきました。

今日はそんな「人を撮るのが苦手」というカメラマンが少なくない理由と少しでも上手く撮れるようになればと、改善方法について考えたいと思います。

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なぜ人が上手く撮れないのか

受動的か能動的か

いきなり本題というか根本のようなものに入ってしまいますが、撮影しようとする写真が「受動的か能動的か」という違いがあります。
「受動的」とは「他からの作用を受けて」、「能動的」とは「自ら働きかける」という意味ですね。

写真を撮るという行為は、撮影ジャンルで分ければ多くの撮影が「受動的」ということになります。花・海・空・乗り物・・・被写体の多くがこちらから働きかけてキレイに見えるように誘導することが不可能、または難しいものです。
ただ条件が良くなる時期、天気、角度を探し、待って撮るというものが多いですね(花で言えば満開の時期、夕日なら晴れの日を待つといった感じ)

しかし「人を撮る」という行為は自ら働きかける「能動的」な行為です(例外については後ほど・・・)
カメラマンが「こういうポーズをして」とか「この場所に立って」というふうに指示をしなければ撮影が始まりませんし、撮りたいイメージに沿ってモデルさんを誘導していくのが撮影の流れです。

この「撮影の流れをカメラマンが作る」という「能動的」な撮り方が人の撮影では求められる点が多くの人が人物撮影を苦手と感じる要因なのではないでしょうか。

コミュニケーションの難しさ

前項の「能動的」な撮り方の一部分ではありますが、「コミュニケーションの難しさ」という面も人物撮影を苦手と感じる人が多い一面かもしれません。

例えば親しい友人や家族と言った身近な人を撮影する場合は、雰囲気作りなどの面ではほとんど問題は無いと思いますが、実際にどう動いてもらって、お互いに満足のいく写真を作っていくことは少し工夫のいることです。

僕もいまだに苦労することがありますが、自分が頭の中で描いているイメージを伝え、表情やポーズをしてもらうことは意外と難しいものです。言葉で伝えるのも難しければ、イメージに合った表情に持っていくことがまた難しい・・・。

このカメラマンとモデルさんのお互いが満足のいく写真を撮るために、イメージをちゃんと共有してその通りに撮影を進めていくというのは、工夫が必要な行動だと思います。

撮る相手がいるという緊張感

特にカメラを始めて間もない方、操作に慣れていない方に多いのかもしれませんが、カメラの設定が上手くいかず、「相手を待たしてしまって悪いな」というプレッシャーがあるということも1つの要因でしょうか?

もちろん動物とか風景の写真を撮る時にも一瞬のシャッターチャンスしかないという場面も多々ありますが、撮れなかったとしても撮影現場の雰囲気が悪くなるということはないでしょう。
ただ相手が人となると、カメラの設定にもたついてしまったり、何度もしつこく撮り直していると相手の集中力も途切れますし、ひどい時には現場の空気が重くなったりします(僕がカメラを始めたころもそうでした( ;∀;))

カメラの設定を無難にこなしつつ、相手とのコミュニケーションをしっかりとって上手く撮影するというのは慣れるまではなかなか大変なことなのかもしれませんね。

「人を撮る」苦手意識を少しでも改善する方法(当社調べ)

「人を撮る」ことへの苦手意識の原因として多そうなものをあげてきました。
他にもその時の状況や人それぞれに違いはあるかもしれませんが、けっこう心理的な原因と技術的な原因が大きいのかなと思います。

ここからは僕の経験も踏まえつつ、少しでも「人を撮る」苦手意識を無くしていけそうな方法や考え方について考えてみたいと思います。

コミュニケーション重視へ発想を変えよう

写真を撮るとなると「カメラの設定をどうするか」という技術的なところを考える方がほとんどだと思います。当然、きちんと写る設定をしないと写真そのものが撮れないし、当たり前のことなのですが設定ばかりに目が行っていませんか?
実際に僕も人を撮らせてもらうようになったばかりのころはそうでした。

しかし、最初の「受動的か能動的か」のところでも書いたように「人を撮る」という撮影はカメラマンから撮る相手に働きかける撮影方法であり、技術的な面よりもコミュニケーションなどの心理的な側面が重要になってきます。

写真教室の生徒さんやカメラ仲間の中には、小さなお子さんをお持ちのママカメラマンも多いのですが、その人たちの写真を見ていると表情の引き出し方やお子さんらしさの表現の仕方が抜群にうまい人が多いのです。
撮影でも一緒に撮ることがありますが、カメラの設定はだいたいフルオートとかカメラ任せにもかかわらず、撮る相手への働きかけ方やリラックスのさせ方なんかは本当に凄く、とても僕では撮れないような写真を写し出します。

カメラを構えて撮影に没頭していると、時々忘れてしまいますが撮られる人は当然、「カメラを構えているカメラマン」を認識して表情やポーズをします。
カメラマンが楽しそうであれば一緒に笑い、真剣な表情であれば真剣に・・・・
撮る側と撮られる側の間にカメラという機械が入ってはいますが、あくまで人と人が向き合っていることには変わりがありません。

最初に「コミュニケーション重視」と書きましたが、難しく考える必要もありません。カメラを持っていない時と同じように撮る人と向き合い、会話し、やり取りしながら撮影ができれば必然といい写真に近づくのではないでしょうか。

カメラの設定は必要最低限に~慣れないうちはカメラ任せも可~

コミュニケーションをより重視するために、カメラの設定はこだわりすぎずリズムよく撮っていくことが大切です。
もちろん、天候や撮影場所などの条件で細かい設定をしなければならない場合やより表現にこだわりたい時は細かな調整も必要でしょう。
できるだけカメラの操作がスムーズにできるようになるに越したことはありません。

ただそこまで難しい撮影条件でない限り、エントリー機~中級機についている「ポートレート」や露出などをオートでやってくれるP(プログラムオート)にして、ある程度カメラ任せの設定にすることも1つの方法です。

もちろん「カメラの設定を適当にしていい写真は撮れない」という批判もあると思います。ただそこは、モデルさんの表情を引き出したり雰囲気作りが重要なのが人物撮影ですから、カメラの設定よりもそちらの方により神経を使ってもらいたいと思います。

人を撮る=相手を知り、おしゃべりすること

1つ目のコミュニケーションのところでも触れましたが、「人を撮る」という行為に特別なものは本来ありません。
もともと知っている人を撮るのならば、いつも通り軽く話をしながら撮りたい表情になった時に撮るだけですし、撮りたい表情に会話をしながら持っていくだけです。
初めての人ならばまずは話をしながらどんな人かを知って、打ち解けて撮りやすい関係に持っていくだけですね。

カメラという機械が間に入っているために、撮影というものが特別な行為のように見えてしまいますが、そもそもはカメラマンとモデルさんが普通に向き合っているだけ。いつもの人間関係の作り方と全く同じことです。
みなさんが普段の生活のなかでやっていることと同じですね。

モデルさんがカメラを意識するのではなく、撮っているカメラマンとの関係で表情づくりや表現できるような環境を作れたら理想的だと思いますね

人物撮影が上手くなりたい人への1つの注意点~撮影会ではなく個別撮影や少人数撮影をしよう~

ここで1つ、人物撮影が上手くなりたい方へ提案したいのが「モデルさんを大人数で撮る撮影会方式より、個別撮影や少人数撮影の方をした方がいい」ということです。

というのも撮影会方式だと、基本的にモデルさんが自分でポーズや表情を作ってくれることが多く、カメラマンから雰囲気を作っていくことになりづらいからです。やはりそこはカメラマンとモデルが話し合いながら撮影していける個別撮影に挑戦していただきたいものです。または男性と女性という2人だけで撮るのは難しいという状況もあると思いますので、少人数で撮影しながら個別に1対1で撮影できるような状況を作ることが望ましいと思います。

そうやって少しずつモデルさんとのコミュニケーションの取り方やどうやったらこちらが考えているような写真が撮れるのかを少しずつ経験を積んでいくことが大切ですね。

個別撮影の大切さについては、いつも参考にさせていただいているカメラマン・伴貞良さんの動画に上手くまとめられていたのでご覧になってみてください↓

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