元日に発生した能登半島地震から2週間あまりが経ちました。
県内外の知り合いの方、仕事でお世話になっている方より多くの心配のメッセージをいただき、ありがとうございました。
幸いにも金沢市内の自宅および仕事場の関係では少し物が落ちて破損した程度で済みました。水や電気などのライフライン、生活物資の調達についてもほぼ影響はありませんでした。
ただ同じ金沢市内でも、比較的自宅近くの山間部でがけ崩れや道路の破損が起き、金沢港近くでは液状化やアスファルトの破損が起きています。
私は仕事や趣味の関係で被害が大きかった能登方面にも知人が多くいます。今のところお亡くなりになった方や行方不明の方はいらっしゃらないのですが、避難生活を余儀なくされたりライフライン・物資関係で苦労されている方が多くいます。
すぐにでもボランティア活動に駆け付けたいところではありますが、道路状況や被災地の受け入れ体制が難しいとのことで、義援金や物資をお送りすることや少しでも役立ちそうな情報の収集と発信に留めています。
石川県内の状況について(1月19日現在)
地震から2週間あまりが経った今の石川県内の状況を分かりやすくあらわした解説がXに投稿されていたので、共有させていただきました。
この図のとおり、金沢市の港湾部と隣接自治体(津幡町・内灘町・かほく市)を境に、金沢市以南と以北でかなり被害状況に差があります。
以北ではライフラインがかなり復旧しつつありますが、道路の陥没や断水が各所で発生しています。
さらには七尾市、志賀町付近を境に輪島市や珠洲市、穴水町、能登町ではニュースで頻繁に見られるような津波被害や道路の寸断が今でも見られます。特に断水の被害がなかなか復旧しないとのことで、停電とともに復旧がゴールデンウイークすぎまでかかるのではという地域もあります。
※被害状況や復旧状況は刻一刻と変化します。県や各市町の公式ページにて最新状況をご確認ください。
金沢市以南の観光や経済に影響が出ています
上の写真は金沢市の代表的観光地・ひがし茶屋街(上)と兼六園(下)を数日前に撮影したものです。
例年は新年の観光需要もあって、人があふれている状況ですが今年は閑散としています。各種調査が混在しているので正確な数字は難しいのですが、例年の1~2割という発表は体感的にもそれくらいなのではないかと感じます。
ここ数日でインバウンド関係の観光客、ツアー客は少しずつ戻りつつあるようですが、現地にいると地震後の観光や経済への影響を痛感します。
確かにまだまだ完全に地震の余震が収まったとは言えず、余震の可能性も否定はできないのですが、いろいろとお話を聞いていると「風評被害」的な面も感じます。
ですので、少しでも正確な情報が伝わればよいなと思い、まとめさせていただきました。
※余震の回数はかなり減少傾向。金沢市以南であれば体感する地震も1日2.3回あるかないか
※ライフラインやお店の開店状況は観光するのに問題ないレベル。公共施設などで休業中のところもあるが、観光サイトなどで確認可能。
※通常はかなり混んでいる施設(兼六園やひがし茶屋街など)や人気店もかなり入店しやすい
※金沢駅や中心部のホテルについては、被災地支援のスタッフが多く宿泊中のため予約が取りづらいところもあり。ただ観光の繁忙期よりは予約は可能であると見られる。
⇒まとめると、金沢市内および金沢市以南の加賀地域での観光・経済活動は普段通り可能。むしろ混雑がほとんどない分、快適に楽しめる状況です。
☆一応注意点としては、施設の被災状況確認のための点検作業、お店の短縮営業・営業日変更は多くあるそうなので、公式ページ・SNSで確認のうえ訪れることをおススメします。
ぜひ正しく最新の情報をみなさま確認して伝えてください
このような非常事態の時は情報が錯綜し、さらに刻一刻と変わるため正確な情報が伝わらないためこのような金沢で活動するカメラマンとして書かせていただきました。
悲しいことですが、私も撮影や写真教室のキャンセル・延期の連絡をいくつかいただいています。場所が被害が大きかった能登地方のものはやむを得ないのですが、明らかに撮影可能な場所のものもあって、風評被害の怖さを感じています。
キャンセル・延期を申し出された方に聞くと「旅行会社が『石川県全体が危ないと言っている』」「インフラや公共交通が復旧していないんじゃないか?」のような、少し調べれば誤りと分かるような風評が広まっているようでした。
ぜひ県外の自治体や観光系の業種の方は、最新情報をお調べいただいて正確な情報を共有いただければと思います。
今回の震災は能登半島全域が大きな被害を受けるという広範囲の影響が出ています。もうすでに金沢市とそれ以南の自治体での避難者の受け入れ、支援が始まっていますが要支援者はかなりの数になると見込まれています。
となるとおそらく、石川県全体の経済の力と支援が必要になってくるのは間違いありません。すでに全国各地からいただいている支援や義援金に感謝するのと同時に、被害が少ない金沢以南の地域は観光や経済活動を少しずつ活発にしていければ、より復旧作業も進みやすくなると思います。
これから状況が変わるにつれて現地から最新情報を出していきたいと思いますので、ぜひ多くの方にお知らせいただき、可能ならご支援いただければ嬉しく思います。