全国各地で新型コロナウイルスの影響が出ています。
僕の活動の拠点である金沢市は、人口比での感染者数が全国的にもかなり高いということでいろいろな方からご連絡をいただいていますが、元気にやっています。
ただ売り上げとしてはかなりマズイ状況です。
売り上げの柱である東京の雑誌・ホームページ制作関係からの撮影依頼は3月中旬からストップ。個人からの依頼も安全面の配慮から延期・中止が相次いでいますし、写真教室の方も参加者や会場への配慮から全てをストップさせました。
必要最低限の買い物と運動のほかは自宅で過ごすようにしており、何とかオンラインでの写真教室ができないか模索中ですが、当分はまとまった売り上げは期待できないというかなり厳しい状況です。
そういった状況ですので、政府が経済対策として打ち出した「持続化給付金」の申請を考え始めています(最大で法人200万円、個人事業主100万円が給付される予定)
給付金に関しては細かい調整が現在行われていますが、だいぶ大枠が固まってきたようなので、今の時点で分かっていることや懸念される点についてみなさんと共有できればと思い、今回記事をまとめてみます。
*持続化給付金の申請が始まった5月当初段階で加筆修正を行いました。
厚生労働省公式ページも最後にぜひご確認ください。
持続化給付金とは
持続化給付金とは簡単に言うと
新型コロナウイルス感染症の影響により売り上げが前年同月比で50%以上減少している法人や個人事業主に対して、法人は200万円、個人事業者などへ100万円を上限に現金を給付する。
(1)2019年以前から事業収入(売上)を得ており、今後も事業継続意思があること
厚生労働省
(2)2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、前年同月比で事業収入が50%以上減少した月(対象月)が存在すること
という中小企業・個人事業主などへの支援策になります。
→5月1日から申請を開始。最短で5月8日からの支給を目指すとされました。
もらえる金額の計算方法【青色と白色申告で違いあり】
給付額は次のような式で計算される予定です。
青色申告の場合(これまでどおり)
給付額=前年の総売上(事業収入)―(前年同月比▲50%月の売上×12か月)
*法人は200万円、個人事業主は100万円が上限
*かつ給付額は昨年1年間の売り上げからの減少額を上限
2019年の売り上げが300万、2019年3月の売り上げが30万、2020年3月の売り上げが10万の場合
→2019年の総売上300万から、2020年3月の売り上げ10万×12か月=120万を引いて180万円が減少額となります。
→個人事業主は上限額100万円までなので、100万円を給付
法人の場合は減少額までなので、180万円を給付
昨年度と比較する月は2020年1月~12月の間なら事業者の方で好きに選択が可能です。
白色申告の場合【4月27日追記】
①まず、前年(2019年)の総売り上げを12か月で割って、1か月の平均売り上げを出します。
②その平均売り上げと今年(2020年)の月ごとの売り上げを比較し、50%以上の減になっていれば給付金の対象となります。
③給付額の計算は従来通り、前年の総売上(事業収入)―(前年同月比▲50%月の売上×12か月)です。
2019年の売り上げが300万、2019年3月の売り上げが30万、2020年3月の売り上げが10万の場合
→2019年の売り上げ300万を12か月で割って、1か月の平均売り上げを25万円とします。2020年3月が10万円の売り上げで50%以上の減なので、給付金の対象になります。
その後の計算は青色申告のところと同じです。
申請に必要なもの、申請方法
申請に必要なものは次のようなものになる予定です。
①本人確認書類(法人は法人番号)
②2019年度の確定申告書類の控え
③減少額比較に使う月の売り上げが分かる帳簿など(2020年分)
④住所・口座番号、通帳の写し
①②④はあまり問題ないと思いますが、③の帳簿等はどの程度のものが必要かは今後出てくると思われます。
具体的には業務に使う通帳の写しや領収書の控えまで求められるかは不明ですが、早めの申請を考えている方は売り上げの記録をまとめておいた方が良さそうです。
申請方法については感染拡大を防ぐこともあり、「Web申請」を基本として行くようです(難しい方には支援窓口を設置予定)
当初、国の補助金の電子申請に必要な「GビズID」と呼ばれるアカウントが必要かもと言われていましたが、その必要は無い方向で動いているようです。
現時点で用意しておいた方がいいもの
早めの申請を考えている方は帳簿(通帳や領収書等の写しを含めて)を整理しておくといいと思います。
1月~4月の間で減少額を証明するのか、もっと先で申請を行うかの参考資料にもなるので帳簿を付けていない方は早めにまとめておくといいでしょう。
政府は給付金が必要な事業者が漏れなく受給できる予算額・制度設計にしていくそうです。「早めに申請しないともらえない」という状況では無さそうですが、早めに運転資金が必要な事業者の方などは今からできる準備をしておいた方が良さそうです。
2019年度の確定申告をしていない方、帳簿を残していない方へ【4月19日追記】
記事を公開してから「2019年の確定申告をしていない」「帳簿などの記録を残していないけど、どうしたらいいのか」と言ったご質問をいただきました。
制度設計を考えると、今後変更がある可能性もありますが、確定申告のような公的な記録や帳簿は申請に必須になる可能性が高いと思われます。
2019年度の確定申告については、コロナウイルス感染拡大防止のために税務署も申告期限を延長しています。
申告が済んでいない方はこれからの申告も検討してみるのがいいかと思います。
→確定申告に関する国税庁ホームページ
また、帳簿や売り上げの記録が今後重要になってくると考えられます。
2019年度と2020年度のこれからの売り上げの記録については、Excelなど簡単なものでもいいので、見やすいようにまとめておくことをおススメします。
なお、重要な記録となる銀行の取引記録(通帳の写し)や領収書の写しはすぐに取り出せるようにしておくのがいいと思います。
新規開業の方や特例措置について【4月28日追記】
懸念されていた新規開業の事業者への対応ですが、「2019年末までに開業(かつ開業届を2020年4月1日までに提出)した事業者は給付金の対象」という指針が示されました。
残念ながら2020年に入っての開業は対象とはならない見込みのようです。
給付金額の計算は、白色申告の場合のように一度、1か月の平均売り上げを算定してから比較する方式になります。
→2019年10月に開業して、10月~12月の3か月の売り上げが120万だった場合、平均売り上げが月40万となり、それと2020年の各月の売り上げを比較します。
このほか、季節によって収入が大きく変動する事業者への特例、個人事業主から法人化した場合の特例などいくつか特例が作られましたので、公式ページでご確認ください。
持続化給付金制度の懸念される点
新型コロナウイルスに関わる経済対策については、政府の対応の遅さや制度の不十分さも指摘されています。家計への給付や事業者へのさらなる支援については、早めに手を打ってほしいところです。
その中でこれまで融資制度や補助金ばかりだった事業者支援に給付金制度が出来つつあり、ある程度スピード感をもって実行しようとされているのは一定の評価ができるかと思います。
ただ僕個人としていくつか制度への懸念があるので、それを挙げつつ少しでも改善されることを期待します。
そもそもこの額では足りない事業者が多い
今回の新型コロナウイルスの経済への影響はかつてないほど広範囲で深いものです。しかもいつ終息し、経済がどのように回復するのかの見通しも全く足りません。
この経済的な低迷がいつまで続くか分からない状況では個人事業主で100万円、法人は200万円という金額では不十分な事業者がほとんどでしょう。
政府は他の融資制度や補助金も組み合わせて利用してもらうことを想定しているようですが、いつまでこの状況が続くか分からない中で返済が発生する融資制度や補助金はなかなか使いにくいのではないでしょうか?
経済状況や申請の状況を見て、必要であれば複数回受け取れる可能性がある制度設計も必要かもしれません。
申請が早い者勝ちとならないか
上でも書きましたが、政府は給付金制度を作るにあたって十分な予算額を確保するとしています。
ただ、かなり多くの事業者の申請が予想されますし、他の制度との兼ね合いで予算が今後どのように確保されるのかという心配もあります。
中には夏ごろや秋・冬になって大幅な売り上げ減に見舞われる事業者もあると思いますので、長期的に申請ができる制度設計にぜひしてもらいたいところです。
給付金が課税対象となったこと
noteの方で重点的にまとめました。ご一読いただければ幸いです。
最後に
以上簡単ではありますが、持続化給付金制度の現時点での概要とその懸念される点についてまとめてみました。
今後情報が変わってくる可能性もありますので、その際にはアップデートなどもできればと思いますが、少しでも参考になれば幸いです。
厚生労働省が出している最新の資料は コチラ です。
ぜひ最新の情報や詳細は下記の厚生労働省の特設ページ→「持続化給付金」の項目でご確認ください。
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