写真を誰かに見せて「これはいい写真ですね」と評価されたいというのは、写真を撮る人みんなの願いだと思います。
でも実際は写真が評価されるというのは難しいことで、たいがいは「普通の写真」としてあまり目にとまらないことが多いものです。
今日はそんな「いい写真」と「普通の写真」を分けるものについて考えてみましょう。
カメラは押すだけで写るもの
みなさんは絵を描いたり、歌を歌うというのは得意でしょうか?
恥ずかしながら僕はどちらも苦手で、小中学校の成績は最低レベルでしたし、今でも絵を描くと周りの人に爆笑される下手さです( ;∀;)
ただ不思議なことにギターやパーカッションを演奏することはそこそこできるんです。
おそらく出る音が決まっているもの(楽器)はそれなりに出来るのですが、自分で声を出したり、線を描いて色を塗るなどの「自分作業をする」ということが苦手なのだと思います。
そういう意味では、カメラは「シャッターを切ればとりあえず目の前のものは写る」ものなので、楽器と同じようになんとか扱えているのでしょうね。
・・・と話は脱線しましたが、つまりカメラは「押せば誰でも最低、目の前のものをそのままに写すことはできる」ものだということです。
そういう意味では絵や歌などと比べると、上手く表現するハードルとしては1段階下がるように思います。
(ただし、カメラの操作とか設定の一定の知識は必要です。そこは頑張って身につけましょう)
となれば、「写真を撮る」という動作についてはそれほど差がつかないのにもかかわらず、「いい写真」と「普通の写真」が生まれてくる理由は何なのでしょうか?
次の項目ではそれについて見ていきたいと思います。
「いい写真」と「普通の写真」を分けるもの~①思いの強さ~
上の2枚の写真をご覧ください。被写体としては同じヒマワリがメインとなっています。
「いい写真」と「普通の写真」と言う基準で見るとどうでしょうか?
下の方が青空とヒマワリのコントラストも美しく、風景写真としては伝わるものを感じませんか?
撮影した背景を明かすと、上のものはたまたま移動中に見つけた今シーズン最初のヒマワリをただ記録用に撮っただけのものです。
下の写真は、この田舎風景の中で咲く力強いヒマワリと夏の青空を合わせたくて、昨シーズンですが5回ほど同じ場所に通ってようやく撮れたものです。
(石川県では夏も晴れない日もけっこうあり、青空を撮るには根気がいりますw)
明らかに写真にかける気合いというか手間は下の写真の方がかかっていますね。
もちろん、撮影に行った時に偶然いい条件に巡り合えることもありますし、工夫すればもっと手間をかけずに撮影することもできるでしょう。
手間をかけるだけが「いい写真」を作る条件ではありませんが、自分が撮りたい状況や条件を突き詰め、妥協しないことは必ず写真の出来にも表れてくると思います。
ちなみにブログでも以前ご紹介したバラ園やストロベリーキャンドルの撮影も、いい条件で撮影したくて何度か足を運んで撮ったものですので、見ていただけると嬉しいです。
「いい写真」と「普通の写真」を分けるもの~②被写体の魅力・本質を理解しているか~
上の3枚はあるキャンドルナイトを撮影したものです。東日本大震災の復興支援を目的に、キャンドルを並べ、ステージイベントを通じて震災について考えることを目的としたものです。
写真としては一番最初のキャンドルが並べられた写真がまず目をひくと思います。
ボケもきれいでキャンドルの美しさがしっかりと写っていることは間違いありません。
ただ僕はこの写真だけだとやはり物足りなさを感じてしまいます。
そこで2枚目や3枚目のように、復興支援の募金箱を入れたり、キャンドルの周りに集う参加者を入れて「震災復興支援がイベントの本質であること」を伝えようとしました。
(実はキャンドルに向かって祈っている避難者の方の写真もありましたが、許可の関係で掲載できませんでした。この写真が一番本質が伝わると思います)
美しく、キレイに撮ることは写真の重要な目標の1つです。ただそれだけではなく、「この美しさの本質は何なのか」「魅力はどこにあるか」というのを自分なりに解釈して、写真で表現することが「伝わる写真」「いい写真」の根本にあるような気がします。
イベントなどの例でも、「このイベントは何を伝えたいのか」「どこが魅力的なのか」ということを理解しているのといないのと、それを表現しようとするのとしないのでは写真の出来がまた変わってくると思います。
(ちなみに僕はイベントやお祭り撮影の時は、事前にホームページ・パンフレット等をチェックして歴史や趣旨、流れなどをチェックしてから行くようにしています)
まとめ
以上のように、「いい写真」と「普通の写真」を分けるのではないかと思われることについて書いてきました。
まとめますと・・・・
①写真に思いを込める
→自分が求める撮影条件(天候や被写体の状況、季節など)にこだわる。写真に手間をかける。
②被写体の魅力・本質を理解する
→被写体の魅力・本質を自分なりに解釈して、それを写真で表現してみる。
となります。
確かにそれを裏付けるカメラの操作への慣れ、技術を身につけることも重要ではあります。
ぜひ目の前の素晴らしい被写体を形にする、自分の思うように表現できる技術も同時に学んでいただけたらと思います。
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